暢のような女性にリードされるほうがありがたかった

どこか頼りなく見えていたのだろうか、強気な彼女によくリードされる。この時代はまだ男尊女卑の考えが根強く、そういった態度を不快に感じる男性は多かっただろう。が、やなせは嫌ではなかった。むしろ、そのほうがありがたい。

これまで女性と接する機会がなく、どうコミュニケーションを取ればよいのか分からない。だから、相手からグイグイ距離を詰めてくれるほうが助かる。また、気が強くて颯爽とした美人というのは、小学生の時に離れ離れになった母親とイメージがかぶる。考えてみれば母もハチキンの部類だった。惚れてしまった理由にはそれもあるのだろう。