「手がかかる子供=発達障害」ではない

大人側の心理状態が変わるだけで、異なる見方ができるようになるのは間違いありません。

ちなみに先の事例では、筆者とのやりとりの最中に「自分が、いっぱいいっぱいだった」と女性教諭は気付いたようです。授業の進行がうまくいかないと教員としての評価が下がってしまうことなども気にしていたようです。

発達障害かどうかを判断するには、実は長い時間と日頃からの丹念な経過観察が必要です。手がかかるから発達障害だと結び付けられるほど、簡単なものではないのです。

読者の方も、おそらく知能検査ですぐにわかると誤解していらっしゃるかもしれません。実は、この誤解は教育現場でも同じです。現場にいる支援者たちには、検査結果に依存し過ぎない柔軟な判断が求められます。

子供の行動をラベリングしない

さて、女性教諭は自分の中の感情を理解して、少し焦燥感が取れました。後に、男子生徒への当たりも柔らかくなったので、これに反応されてトラブルを起こすことも減ったとの報告がありました。

もちろん、これだけで本当に男子生徒の発達障害の可能性を除外できたと言えるわけではないのですが、こうした大人側の心理的な事情によって発達障害と見なそうとするというのが、おわかりいただけたのではないでしょうか。

では、どうすれば見誤りを防ぎながら支援に繋げられるのでしょうか。それは冷静に子供と向き合っていくほかないでしょう。子供の行動をすぐにラベリングしない視点を持つことが、大切だと筆者は感じています。