伯父の正式な養子だった弟に比べ、居候の身分のままだった
また、やなせが自身を幾度も「おとなしい」「暗い」と振り返っているのは、「居候」の立場も影響していた。
評伝『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』(文春文庫、梯久美子著)によると、やなせもかつては素直で子どもっぽい性格だったが、伯父の家の居候になり、幼くして分別を身に着け、一歩下がってまわりを冷静に見るようになったという。一方、正式な養子として引き取られていたからか、甘えん坊でわがままで、それが愛らしい千尋を、嵩はうらやましい思いで見ていた。
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