「ママとパパは信頼できる」と感じた結果

この心の基盤は、「愛着スタイル」に大きな影響を及ぼします。愛着スタイルとは、生後2年間の親との交流から得た、他者との結びつき方の傾向です。基本的信頼感を得た子どもは「安定型愛着スタイル」を持ちますが、基本的信頼感が得られなかった子どもは「不安定型愛着スタイル」を持つようになります。

安定型愛着スタイルを持つようになった子どもは、以下のような信念に基づいて人間関係を築いていくようになります。

「私は大丈夫。他者も大丈夫。外の世界を信頼できて、困ったことがあったら、手を差し伸べてもらえる。それに、自分で自分を助けることもできる」

このような子どもは、「ママとパパは思いやりを持って私をケアしてくれる。ママとパパは信頼できる」と感じられる経験をしています。そうした経験から子どもは、人間関係とは“他者とつくり上げていける”ものであり、じっと耐えるだけのものではないということを学んでいきます。この感覚が、後の結びつき能力に決定的な役割を果たすのです。

家族4人で仲良く土手を散歩している
写真=iStock.com/maruco
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全世界の約60%の人が「安定型」

子どもは、何らかを必要としているときに親に振り向いてもらえると、結びつき欲求だけでなく、相手を意のままにコントロールしたいという自由欲求の充足も感じます。ですから安定型愛着スタイルを持つ子どもは、結びつき(適応)と自由(自己主張)のバランスがとれていると言えるでしょう。

安定型愛着スタイルを持つ大人も、安定した自己価値感を持っており、心の中で結びつきと自由のバランスがうまくとれています。主に接近目標を掲げながら人生を送っており、「私なら、ほぼどんなことでもできる」と感じています。失敗するのではないかという不安もありますが、それよりも目標を達成する意欲のほうが上回っているのです。

もちろん、失敗すると落ち込みますが、落ち込みを克服するための良い対処法も身につけています。ある研究によると、全世界の約60パーセントの人が安定型愛着スタイルを持っているそうです。