イラっとしたら6秒待つ
保護者の皆さんにセーフティトークの効用をお伝えすると納得してくださる一方で、「わかっているけど、どうしてもカッとなって感情的に叱ってしまうんですよ……」という本音を漏らしてくれる方もいます。
私も自分の息子たちが小中学生の頃を振り返ると、その気持ちはよくわかります。私たちの学童保育の指導員(以下、キッズコーチ)たちもよく「コーチとしては冷静に対処できるけど、家では……」と同僚同士で慰め合っています。
わかっているけど、感情的に叱ってしまう。本当は冷静に対応したい。やさしく諭したい。そう思っていても、目の前で危ないことをしたり、約束を破ったり、言うことを聞かなかったり。つい声を荒らげてしまう場面はあるもの。子育て中の親なら、誰もが経験するジレンマです。
親子関係は距離感が近く、思い入れが強いからこそ、感情的になりやすい。でも、キレるように叱りたくない。そんなとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。
まず覚えておきたいのが「6秒ルール」です。脳科学の研究によれば、怒りの感情を引き起こす物質は、6秒で脳内から消えていくとされています。ですから、アンガーマネジメントの研修などでは、イライラしたとき、カッとなりそうになったとき、その感情のまま反応するのではなく、まずは6秒待ってみましょうと指導されます。
親と子供は「別の人格」
実際、イラッとしたら深呼吸をする、ムカッときたら6秒数える。そんなふうに自分なりの「クールダウンの呪文」を唱えると、その間に少し冷静さを取り戻すことができます。
そうやって怒りの感情の初期衝動を抑えたら、「子どもは別の人格を持った存在である」という事実を思い出してください。
子どもは、生まれた瞬間から私たちとは別の人格を持っている。だから当然、親の考えとは違う思いも持っている。すべてが思い通りにいかないのが当たり前。この割り切りができるようになると、心が楽になります。子どもには子どもの考えがある。それを尊重しながら、一緒に成長していけばいい。
そして、これも覚えておきたい大切なことです。先ほどの継続性のところでも触れましたが、たとえ感情的になってしまっても、親子関係には何度でも「やり直せる」強みがあるということ。
一時の感情で声を荒らげてしまっても、関係を修復することができます。大切なのは、その後でたくさん褒めてあげたり、一緒に楽しい思い出を作ったりすること。どんなに気をつけていても、完璧な親子関係などありません。でも、お互いを理解しようとする気持ちがあれば、きっと関係は深まっていくはずです。


