学びの「宝庫」は家から離れた場所にある
新たなことに気づくきっかけを子どもに多く与えたい場合は、コンフォートゾーン(自宅のように居心地のいい場所)から抜け出しましょう。隣町に行くだけでもさまざまな気づきがありますが、これからの時代の学びの「宝庫」は地方にあると思っています。
私は息子が小学校を卒業するまでに、日本全国47都道府県を一緒に旅行しました。海外は、日本とまったく異なる国・地域のほうが刺激が多いので、インド、ドバイ、ルワンダなどに行きました。
実際にインドを旅したときには、日本とあまりにも違う環境に驚いていましたが、強烈な思い出になったようです。なにしろインドでは、高速道路を牛が歩いていて渋滞していたり、車が逆走していたり、マラソンの練習をしていたり、トイレには紙がなく備え付けの水を使わなければいけなかったり、毎日が驚きの連続でしたから。
点と点がつながったと感じたのは、息子が英語を本気で勉強しはじめて英検2級を取得した中学2年生の頃でした。「僕が海外で仕事をしたいと思うようになったのは、あの旅の体験があったからだよな」とポロッと口にしたのです。
GoogleやAmazonをはじめとした世界のトップ企業が採用で重要視するのは、好奇心があるかどうかです。好奇心は「なぜ? どうして?」という疑問から生まれます。子どもの「宇宙ってどんな世界なんだろう?」「YouTuberがおもしろいのはなぜ?」といった素朴な疑問の芽を見つけたら、大切に育てたいですね。
親の「無意識の思い込み」に要注意
④親のバイアスを解く
私たちの子ども時代は、男子のランドセルは黒、女子は赤と暗黙のルールとして決まっていました。でも今のランドセルはカラフルで種類も多く、多様性が認められるようになっています。それはとても喜ばしいことなのですが、固定観念や先入観は簡単には変わりません。
心理学の論文によると、人の認知バイアスは200種類以上あるそうです。これはすべて無意識のうちに「そういうものだ」と考えてしまう心の偏った習性で、親のバイアスは当然、子どもにも影響を及ぼします。認知バイアスには、ゼロイチ力を阻害するものが多いのです。


