今の悩みは、社会に出てからの肥やし

中1のときには、こんな経験があった。

中2の先輩せんぱいのしごきがきつくて、「うさぎび10周!」なんて理不尽りふじんなことを言われるわけです。もうつかれきって立てないくらい大変な状態。

そこで、中1のみんなで団結して「もうめよう」ってことになった。でもぼくは、「いや、続けよう」って言った。負けたくなかったんだな。それからしばらくは、中1の仲間全員が、ひと言も口をきいてくれなかった。

高濱正伸『13才のキミへ 中学生生活に自信がつくヒント35』(実務教育出版)
高濱正伸『13歳のキミへ 中学生生活に自信がつくヒント35』(実務教育出版)

でも、5年生のときに一度いじめを経験していたからなんともなかった。こういうときに大事なのは、毅然きぜんとした態度でいることだ。モジモジして、困ったような態度をとっちゃうと、いじめはどんどんひどくなる。

「いじめのない世界になりますように」っていうのは現実的に無理な話だ。だから、いじめる人間になれ、っていうわけじゃなく、いじめが来ても、それをはねのける人間になってほしい。社会に出たらもっと厳しいことに出会うよ。仕事がなくなることだってある。

そこで大事なのは反発することなんだけど、ぼくのいじめられ体験みたいに、なんとか立ち向かった経験がないまま大人になると、なかなかえられない。

今、つらかったり、悩みがたくさんあるというのは必ず肥やしとなってキミの将来の力になるからね。

そのつらい経験が、将来役に立つときがきっと来る。打たれ強くなれ! 負けるな!