子どもが親に相談するのは、のっぴきならない場合だけ

中高時代に、恋愛や交際を初めて体験する子どももいます。初めて出会う感情に戸惑いながらも、これまでぼんやりと見聞きしていた小説や詩、ポップスの歌詞の一節が心に響くようになったというような体験は、皆さんもどこかで経験したことがあるのではないでしょうか。

子どもがスマートフォンを持つ現代は、我が子の交友関係が見えにくいものですが、恋愛や交際は別物。特に母親からすると一目瞭然のようです。

これまで寝ぐせのまま学校へ行っていた子どもが、髪型や身だしなみに気を遣い、休日に行き先を告げずに出かけるようになったりと、中高生男子は案外わかりやすいところがあります。

しかし、子どもが恋愛について思い悩むことがあったとしても、親は相談相手になりません。子どもが親に相談するのは、よほどのっぴきならない場合だけでしょう。

子どもから聞き出すことも、他のこと以上に難しいものです。親の側からすると、手を出しにくい鬼門ともいえるかもしれません。

リュックを背負って、リビングで父親と話している少年
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頼られる親は普段から他愛のない話をしている

親にできることは、「何かあったときに話したい」と思われる関係でいることです。

子どもが興味をもっていることを、くだらないことだと決めつけ、「それもいいけれど、少しは勉強しなさい」などと言ってしまっては、子どもは何かあったときにあなたに打ち明けようとはしないでしょう。

友達に心を開いて話せるのは、お互いにどうでもいいような話も共有してきた時間の積み重ねがあるからです。普段ろくに話もしないのに、聞きたいときだけ話を聞こう、こちらの言うことを聞いてもらおうというのは土台無理な話です。

一朝一夕にはいきませんが、普段から他愛のない話をし合える関係性を育んでおきたいものです。この時期の子どもの恋愛については、遠くから見守りながら、何かあったときに話しやすい親でいることが最善策なのだと、私は考えています。