頭の回転の速さに差
そしてこの「既存の情報を組み合わせて新しい情報を作り、それを繰り返す」というのは、数学以外のどんな思考でも共通する基礎です。
・情報1 花子は大学1年生である
・情報2 日本の高校卒業は18歳であり、多くの人がそのまま大学に行く
・情報3(情報1+情報2) 花子は18歳である可能性が高い
・情報4 日本では20歳でお酒が飲めるようになる
・情報5 (情報3+情報4)花子はお酒がまだ飲めない可能性が高い
「花子は大学1年生」という情報から、「ということは、花子はまだお酒飲めないんだね」と推測できるのです。これ、やっていることは先ほどの算数の問題と同じですよね。
つまり、算数や数学を勉強しておかないと、基本的な思考力がない「察しが悪い人」になってしまうかもしれないのです。角度を求める問題を解くのは、角度を求めるためだけにやっているのではなく、「思考訓練の一環」だとも言えるわけです。
正直に言うと、数学ができる人と数学ができない人で、頭の回転の速さに差があると僕は考えています。文系の問題を解いているときですら、数学の問題が絡んできます。
こう考えると、ちょっと数学を勉強する気が湧いてきませんか。
英語を学ぶのは「外国人と会話するため」ではない
Q 自動翻訳機やスマホがあるのだから、英語の勉強なんていらないのではないかと考えています。あまり良くない考えなのはわかるのですが、この考えを持ってからあまり英語の勉強に身が入りません。どうすればいいでしょう。[中学3年生 女子]
A 大前提、間違っていないと思いますよ。現代において、なんで英語の勉強をしなきゃいけないんだ、と疑問に思うのはとても正しい思考です。
例えば、チャットGPTの発展で翻訳の精度はめちゃくちゃ上がっていると言われていますよね。2030年になったらきっと、今よりもっと精度のいい翻訳機が販売されているはずです。
日本語を聞いて、さまざまな生成AIがそれを英語に翻訳し、その中から一番良いものを一瞬で出力してくれる機械、なんてものさえあるかもしれません。これさえあれば英語を覚えていなくても誰とでも会話ができます。
何なら今でも、英語のメールを打つときは日本語をチャットGPTに入れてしまえば英語を出力してくれるので、それを手直しすればかなり精度の高い英文が作れます。0から英文を作るより何倍も楽に、何倍も素晴らしい英文が作れてしまいます。
だから「外国人と会話するため」という理由だけであれば、英語を勉強する意味はあんまりありません。

