多様な課題の解決に貢献する
グローバル人材を輩出します

藤田聡●ふじた・さとし
立命館大学スポーツ健康科学部教授
博士(運動生理学)

立命館大学のスポーツ健康科学部では、科学的なエビデンスに基づいた「競技力の向上」「健康の維持・増進」「保健体育の指導法」や、「スポーツマネジメント(組織運営)」を学ぶことができます。すべてに共通するキーワードが「グローバル人材」。つまり高い応用力や適応力をもち、どのような場でも活躍できる人材の育成です。そのためにも、海外からの新しい情報を正しく消化し、自らも海外へ情報発信できる力を鍛えます。1、2回生の「プロジェクト発信型英語」は言語学習にとどまらず、グループ活動で一つのテーマを掘り下げ、英語による調査・発表・討論と論文作成を行うのが特色で、国内外でのインターンシップなど実践的学習も重視しています。

ATCの資格取得を目指すプログラムでは、本学部の単位の一部が米国・ESUの単位に認められ、ESUのオンライン授業と組み合わせ、両大学の学士号取得が可能となります。立命館大学の高い研究力とエビデンスに基づいた学習がESUのATCカリキュラムと組み合わさることで、より幅広い分野で活躍できるATCの育成につながるでしょう。今後は社会人向けのATCカリキュラムも検討していくなど、多様な社会的課題の解決に貢献しうる資格への門戸を、いっそう広げたいと考えています。

取材を終えて──

日本在住の日本人ATCは現在、200名程度といわれる。今後は立命館大学の取り組みにより、人数も知名度も増すことだろう。確かにATCが力を発揮できる領域は広く、今後も国内外で拡大していくことが予想される。明確な目標のもと、各分野の専門的知見と英語力を同時に強化できるプログラムを立命館大学が用意する意味は大きい。同大学では、かねて国際競争力の高い人材の育成に注力している。いずれも独自性、先進性が高く、地に足が着いた取り組みであり、新たな大学のあり方を示している点が評価できる。

●お問い合わせ先/立命館大学 URL http://www.ritsumei.jp/

立命館大学の理工系の取り組みに迫る「第2回」は、2013年6月10日掲載予定。