「こたつでウトウト」も危ない

寒い季節、こたつに入ってぬくぬく過ごす至福のひととき……。

ついウトウトと寝落ちしてしまうのも仕方ありませんよね。家族から「風邪をひくよ」「やけどするよ」と声をかけられても、なかなか起きられないものです。

それもそのはず。実はこのとき、下半身が温められていることで身体の血管は拡張し、相対的に脳血流が低下するため、「気絶」に近い状態になっているのです。そして、「そのまま寝ていると風邪をひく」というのも決して大げさな話ではありませんし、なんと、こたつに入ったまま亡くなってしまうこともあります。

こたつで寝ている男性
写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです

よくある事例は、寒い冬の夜、外食や飲酒をして帰宅し、部屋の暖房をつけずにこたつに入る……。そして翌朝、寝ているような体勢で死亡しているのを発見されるケースです。突然死と同じ扱いなので、現場に到着した救急隊から警察に連絡が入ります。そこで、やけどのように下半身の皮膚がタダレていることが発見され、「火傷死」が疑われて解剖になる機会も少なくありません。

このようなケースの大半は、やけどは長時間こたつに入っていたためにできたものであって、死因は「脳梗塞」や「心筋梗塞」と判断されます。

脱水症状になり、血管が詰まって死んでしまう

一体なぜ、「こたつでの寝落ち」が死につながるのでしょうか。

まず、こたつに長時間入っていると、発汗と呼吸によって脱水状態になりやすくなります。この脱水状態が続くと、血液がドロドロになってしまうのです。高齢者には動脈硬化症が進行している人が多いため、ドロドロになった血液は血流を悪くしたり、血管を詰まらせたりします。

そして、脳の血流が悪くなると「脳梗塞」に、心臓の血流が悪くなると「心筋梗塞」になってしまうわけです。

また、室温が低いことも死の危険性を高める一因と考えられます。

下半身はこたつで温まって血管が拡張しているのに、頭や上半身は冷えて血管が縮こまっている……。先ほど紹介した「ヒートショック」の状態になるのです。こたつの中と外の温度差が激しければ激しいほど、死ぬ危険性は高まります。

さらに、血流が悪くなる以外にも、冒頭でお話ししたように、こたつに長時間入ることで「風邪をひく」「やけどする」ことも、重症化すれば死につながります。

ひとたび脱水症状になると、粘膜などの水分も少なくなるため免疫力が低下し、風邪をひきやすくなります。また、こたつによるやけどは、自覚症状の乏しい「低温やけど」であるため、気づいたときには深い傷を負っている可能性があるのです。

いずれにしても、こたつによって身体に支障が出るときは「重症化するまで自覚症状がない」ことが特徴です。間違った使い方をしてしまうと、身体にさまざまな悪影響を与えることを知っていただき、ぜひ安全に利用してください。

△このような危険を避けるには……

・こまめに水分を摂る。
・こたつの設定温度を下げる。
・部屋自体も暖めて温度差をなくす。