51歳で離婚しても、人生は約40年もある
女性の平均寿命は87.14歳と言われていますが、平均寿命の中には幼くして亡くなってしまった方も含まれていますので、私はFPとしてお客様とお話しする際に、参考にして頂くものがあります。それは厚生労働省が毎年まとめている性別・年齢別の死亡数です。以下は令和5年のデータから私がまとめたものですが、女性では92歳で亡くなった人が最も多かったことを示しています。
【令和5年 女性の年齢別の死亡数】
1位:92歳
2位:93歳
3位:91歳
4位:94歳
5位:90歳
6位:95歳
参考=厚生労働省「令和5年簡易生命表」
例えば、恵美さんが51歳で離婚をしても、92歳までには41年間もあります。「こんな夫といるくらいなら離婚をした方がまし」という方もいますが、本当にそれで良いのでしょうか?
今や“老後のお金”は社会問題です。昭和時代は「老後の年金暮らし」という言葉がありましたが、年金は当時に比べて受給額が減っています。少ない年金でも、夫婦でいることで多少は太くなるので、生活ができるのです。しかし、離婚をすることでさらに痩せてしまった年金では、将来暮らしていくのはとても困難。また、離婚時に「夫と話し合うのが嫌」という理由で、年金分割をしない人もいます。それは、自らの首を絞めつけるようなものなので、絶対に避けて頂きたいと思います。

これからの時代は“3つの柱”が必要
恵美さんへ私がしたアドバイスは下記の3つです。
アドバイス①:令和版資産形成の方程式「WPP」をお伝え
「1回で受け取る年金受給額が減ってしまった」「長生きするので現預金では足りない」「そもそも貯金ではお金が増えない」。「じゃあ私は一体どうしたらよいの?」と思われると思います。昭和時代の老後のお金は「年金」という大きな柱に支えられてきました。これからの時代は3つの柱「WPP」で考えていけばよいのです。では、3つの柱とはどの様なものなのでしょうか?
*Public pension ⇒公的年金を繰り下げ受給で多く受け取る
*Private pension ⇒iDeCo NISA等でお金を増やす
上記の頭文字をとって「WPP」と言います。まずは、この考え方を覚えておいてください。
アドバイス②:年金の2つの柱の立て方
まずは、年金の柱の立て方をお伝えしました。余談ですが年金の語源Pensionというのがとても興味深いものになります。欧米では一人一部屋持つのが当たり前ですが、子どもが独立した後の部屋を貸し、下宿生活をサポートする代わりに収入を得て、老後資金を得る文化があるそうです。この語源から、老後の生き方の知恵をシェアされたと思います。