「そうなろう」と意識すると、脳が変わる

また、自分の脳特性を理解すると、実は「なりたい脳」を目指すこともできます。たとえば「バランスタイプ」には運動系、聴覚系、記憶系脳番地が紐づいています。

では、仮に「バランスタイプ」の子が「リーダータイプ」のようになりたい場合は、どうしたらいいでしょうか。リーダータイプに紐づいていて、バランスタイプには紐づいていないのは、思考系と感情系の脳番地です。でも、これらの脳番地を鍛えるよりも先に、実は、できること(すべきこと)があります。

それは、脳に「指向性」を与えることです。つまり「リーダータイプの脳特性は、こういう意識や行動なんだ」と認知し、「こうなりたいな」と指向し、そして実際に「そうなろう」と意識することが、まず重要なのです。

「リーダータイプは思考系と感情系の脳番地が発達しているから」という考えのもと、いきなり、これらの脳番地を鍛えても、望むような結果が得られるとは限りません。その努力が空回りして、まるで明後日あさっての方向に作用する可能性も考えられます。目的地を定め、そこに「到達しよう」と思わなければ、張り切って出かけても、どこにも到達できませんよね。気づいたら「こんなはずじゃなかった」という、とんでもない場所に行ってしまうかもしれません。

それと似たような話で、脳にも「こうなりたい」という目標設定と「そうなろう」という意志が必要です。そのうえで、なりたい脳になるための実践を重ねることで、実際に脳が変わっていく。指向性があって初めて、脳番地のトレーニングが効いてくるという順序なのです。

タブレットを使って勉強をする10代男性
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親への反抗は“脳の発達”が原因

特に思春期を迎えた子どもは、親にとっては難しい存在となりやすいものです。この時期の子どもは親に反抗するなど、それまでとは違った態度や行動を取るケースが非常に多いのですが、それは、脳が発達したことで、幼少期に比べて劇的に「思考や行動の選択肢」が増え、「自分で選びたい」という意志も強くなるからです。

子どもとしては、親に反抗すること自体が目的というわけではなくて、ただ、広がった選択肢の中から自分なりに何かを選びとっているだけなのです。子どもの意識が家庭外に向き始め、親以外の大人の話を聞いてみたいと思うようになるのも、この時期です。

こういうことのすべてが親からすると想像外であるために、親の目には「どんどん我が子が、自分の理解の及ばないところに向かっている」、さらには「近ごろ反抗的だ」と映るというのが大半でしょう。

子どもの予想外の行動を無意識のうちに否定したり、制限を加えようとしたりすると、子どもは、より強く「自分で選択するんだ」という意志を貫こうとするため、表に出る態度や行動はいっそう反抗的になります。これが、いわゆる「反抗期」というものの仕組みと言っていいでしょう。