より多くの人と接したほうがいい

では、残る感情系と伝達系は、どんなふうに発達するのでしょう。この2つは、実は他の脳番地に比べて、発達度合いに差が現れやすい脳番地です。大人の脳でも、ある人は高い、ある人は低いといった差異が見られるのですが、もっとも差が出るのは、中学・高校生の頃と言っていいでしょう。

小学・中学校くらいまでの子どもの脳では、まず他者認知(他者の意図や行動を知覚し、反応すること)が発達します。それが高校くらいからは自己認知が高まってきて、「自分はどうしたいのか」といった思考が生まれます。これは高校生になると、自分の感情を司る左脳の感情系脳番地が発達してくることによります。

ただし、感情系は未熟であり、ここからの発達度合いは、主に、どれくらい多くの人と接するのかによります。より多くの人と接することは、それだけ多様な感情を抱く機会の創出につながり、機会が増えるほどに感情系が伸びるということです。

リビングで会話をする4人の家族
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その意味では、8タイプのうち、もっとも社交的な傾向の強い「フレンドリータイプ」と、もっとも非社交的な傾向の強い「エキスパートタイプ」とでは、感情系の発達度合いが極端に違うというように差が出やすい脳番地と言えるのです。

「会話の多い家庭環境」を作るといい

その感情系よりも、さらに差が現れやすいのが伝達系脳番地です。社会に出る前の子どもは、放っておくとアウトプット量よりもインプット量のほうが、格段に多くなりがちです。

たいていの子どもは日中の大半の時間を学校で過ごしますが、そこで何をしているかといえば、授業を受け、ホームルームや全校集会などで壇上の先生の話を聞き……と、インプットばかりでしょう。特に日本の学校に当てはまる話なのかもしれませんが、自分からアウトプットする機会は、残念ながら、あまり設けられていません。

言い換えれば、学校ではインプットに関係する視覚系・聴覚系脳番地は伸びても、アウトプットに関係する伝達系脳番地は伸びづらいということです。

そこで大きな分かれ目となるのが、家庭内での会話量、特に子どもの発話量です。親が一方的に話すのではなく、子どもがたくさん話すという意味で、「会話の多い家庭環境」であるほど、子どもの伝達系脳番地は伸びやすいのです。

自分の感情や思考を他者に伝える「伝達」という能力は、健全な人間関係を築くうえでも、仕事で成果を出していくうえでも――つまり、社会で自立して生きていくために欠かせません。そして、その能力の発達具合は、子ども時代に、学校では皆一様にインプットする一方、それぞれの家庭において、どれだけ会話があるか、どれだけ発話できるかで大きく差が出てくるというわけです。