「点数が足りない状況」が続くと意欲が下がる

理由② 同じレベルの学校ばかりの過去問対策はつらいのでモチベーションが下がりやすい。

6年生の後半になって過去問に取り組んでみたとしましょう。するとどうなるでしょうか? 「偏差値50のA中学の過去問を解いたが、合格点まであと30点足りなかった。『なかなか大変かな?』と思って、偏差値50のB中学の過去問を解いたが、こちらも合格点まであと30点足りない……」こういう状況が続きます。

そんな中で、常に「今度こそ!」と食らいつく気持ちも欲しいですが、人は「点数が足りない」「負け」とわかる状況が続いている中で、ずっと意欲を高く保つのは難しいものです。そもそも、80%偏差値に届いていたとしても、合格者の最低点はそう簡単に取れるものではありません。過去問を10月に解いたとして、その合格者最低点は、2月の本番のもの。4カ月分の成長の先にある点数なのです。

過去問を使って実践演習するときも、自分の持ち偏差値より低い学校、安全を期した学校があったほうが、モチベーションを保って練習できます。「ここなら合格点が取れた! 次のこの学校はどうかな⁉」と成功を積み上げていく感覚が、本人の意欲と成長につながるのです。

勉強が嫌いな女の子
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「連敗」が続くと勝率が下がっていく

理由③ 同じレベルの学校ばかりが続く受験日程は実力を出しづらい。

中学受験の受験日程は、過密スケジュールです。特に首都圏、東京や神奈川の場合は2月1日に始まり、2月5日まで受験日程が詰まっています。その気になれば2月1日から2月5日までフル回転し、午前と午後の試験全部を受け、10回受験することすら可能です(お勧めしませんが)。

この忙しく、厳しい受験日程を乗り越えるのに必要なことは、早めに合格を取ることです。想像してみてください。2月1日と2月2日、午前も午後も頑張って4連敗。期待しながら見る結果発表は毎回不合格。そんな中、家族みんなで必死に応援して2月3日に向かうも、本人の表情はどこか暗い……。こんな状況から合格するのは難しいです。合格がないまま連戦を続けても、勝率は下がっていく一方なのです。

そこであわてて、2月3日以降の日程になってから本来の「安全校」を急遽差し込んでも、それまで不合格を続けた子は、気持ちの面で合格できるか不安になっています。もしそこで落ちたら、さらなる安全校を探さないといけなくなって……想像するだけで苦しい退却戦、撤退戦ですね。こうなってから、「2月3日に急遽差し込んだ安全校を、2月1日に受けていれば確実に取れたのに……」と嘆いても遅いのです。入試日程にやり直しはありません。