「幸せへの道はすべて難関大学を通る」は神話
言うまでもなく、子どもに将来の成功を保証する公式は存在しない。しかし、大切であることと幸せという観点から成功を定義すれば──成果という観点からだけではなく──親はもっと上手に子どもを導くことができるとリサ・ダムールは説明する。
幸福度を左右する最大の要因は環境への適応であることを親が理解すれば、大学について子どもと語る際に、評判などの外的目標ではなく、個人の成長などの内的目標に重点を置くように努めるだろう。つまり大学について話しあうときは、大学ランキングではなく子どもの価値観を軸として進めるべきである。
「幸せへの道は難関大学を通っているはずだという前提を否定することから会話をはじめましょう。真実でもなんでもないのですから」とダムールは言う。なにより、名門大学に入ることが成功への鍵だという神話を崩せば、大学入学への苦難に満ちた過程に新たな視点を提示することができる。数十年におよぶ調査結果を踏まえて、「よい人生」を導くものについてじっくりと考えながら話しあおう。
大学ランキングにふりまわされてはいけない
「子どもがブラウン大学に行こうが、それより低い順位の大学に行こうが、その後の人生の幸福を決定するわけではありません。それならば、なにが決め手になるのか。よい交友関係、意義のある仕事、自ら選んだ目標に向かって能力を発揮しているという気概です」とダムールは語る。
「私たちはこの事実を理解して、子どもに教えなければなりません」。当てにならないランキングにふりまわされるのではなく、子育てのエネルギーをもっと有意義に使うべきだと調査結果は示している。どこの学校に入るかではなく、入学してからなにをするのかを強調しよう。

