知育グッズや図鑑で学力が伸びる?

長男が開成中学校に合格した後、よく聞かれる質問があります。

「小さい頃、知育遊びはしていましたか?」
「どんな本を読み聞かせていましたか?」

答えは「何もしていない」です。図鑑すら置いていないリビングに、知育グッズの代わりにあったのはゲームでした。

リビングでテレビゲームをする子供の手
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

長男が最初に手にした本は、ゲームの攻略本でした。ひらがなも読めない3歳の頃、本屋で見つけた「NewスーパーマリオブラザースU」の攻略本を手放さなかったのです。そのくらいゲーム好きだった長男は、受験直前までゲームをやめることはありませんでした。弟たちも2歳からゲーム遊びをしています。

知育グッズや図鑑は「理想的」と言われます。実際、知育教育に熱心な家庭の子どもの方が成績が良いと言われているのかもしれません。しかし、それは知育教育そのものの効果なのでしょうか。教育への意識が高く、経済的にも余裕があり、その後の教育環境も充実している――そうした家庭環境の総合的な結果ではないでしょうか。

「ゲーム禁止」と言わなかった効果

実はわが家も知育グッズを買ったことがあります。しかし子どもたちはまったく興味を示さず、遊ばせようと必死に促したこともありました。

一方で、子どもたちは自然とゲームに親しんでいきました。それはもしかしたら、こんな効果があったのかもしれません。

● 妖怪ウォッチ(ロールプレイング):ひらがなの暗記、戦略的思考の習慣化
● 人生ゲーム(すごろく・ボードゲーム):ライフイベントに関する言葉の理解
● マインクラフト(ブロックの世界):立体図形への親近感、空間把握力の向上

もちろん、ゲームがすべてを解決するわけではありません。

大切なのは、子どもが自ら興味を持ったことを否定せず、むしろ「すごいね!」と共に喜ぶこと。もちろんそれが知育グッズでもいいのです。わが家の場合は、結果的にゲームが知育グッズ以上に子どもの成長を後押ししたのかもしれません。

長男が小学校に進級しても、計算ドリルを買い与えることはありませんでした。その代わり、日常生活の中で自然と学びの機会を作っていました。