54歳の若さで亡くなった中山美穂さんの思い出
昨年12月6日、中山美穂さんが54歳の若さで亡くなった。
筆者は1970年生まれのミポリンと同世代だけに、その突然の死去に強いショックを受けた。
主にミポリンの結婚前、芸能雑誌の編集部に在籍していた頃は、取材でお会いしたこともあった。その凜とした美しさに毎回感動しつつ、それでいてフランクかつオープン、しっかり者で世話好きのキャラクターに好感を抱いた。ミポリンとのちに事務所の社長になった男性マネージャーのやり取りは、「どっちがマネージャーなのかな」と思う会話もあって、まるで姉と弟のよう。見ていて微笑ましかった。
ミポリンは美貌と才能に恵まれた人が集まる華やかな芸能界の中でも、特別な「お姫様」だった。バーニングプロダクションという大きな事務所の傘下で、彼女のためだけに作られた個人事務所。その事務所のパワーもあり、本人のしっかりしたビジョンもあり、トップを走り続けたキャリア。
歌手としてレコードデビューしたときから「ザ・ベストテン」の常連となり、ヒット曲を連発。女優としても美貌と親しみやすさを武器に、TVドラマや映画に主演して作品を成功に導いた。「数字を持っている」数少ない女性であり、男性の芸能人にとってもあこがれの存在だった。どんな大物俳優でも映画監督でも、彼女のためなら、芸能雑誌の小さいスペースにもコメントを寄せてくれた。
ミポリンが最後に行った美術展
彼女が32歳のときに作家の辻仁成さんと結婚し、パリに移住して男児を出産し、その10年後に離婚して日本に戻ってきてからも、ドラマなどで見せる振り切れた演技を楽しみにしていた。復帰後の作品の中では、『平成細雪』(NHK BSプレミアム)で演じた大阪・船場の御料さん役が特にすばらしかったと思う。
この2025年1月クールのドラマでも「日本一の最低男」と「家政夫のミタゾノ」の2本に出演していた。そんな最中、突然、この世を去ってしまったわけだが、ミポリンは死の前日に自身のInstagramを更新していた。それが最後の投稿となった。
写真下手すみません
2、3日心がえぐられて、一緒に行った友としか会話が出来なかった。
写真下手だけど、上手くてもなんにも表現できない」
(中山美穂Instagram、2024年12月5日)