名前を思い出せないときはこれでしのぐ
「それだけ人脈が広いと、誰だか思い出せないとか、名前を忘れたりすることがありませんか?」と聞かれることがあります。
本書の編集者さん(中里編集長)にも「人の名前や顔を忘れない、いい方法があったら書いてください」と言われて大変困っております。なぜなら私自身、人の名前・顔を忘れることが多いからです。
しかしながら、数少ないスキル(?)らしきものがあるのでそれを開陳しましょう。
まず、誰か思い出せないとき、人の名前を忘れたときは「再名刺交換」を試みます。名前を忘れるということは、しばらく会っていない人ですよね。
「お久しぶりですが、仕事(部署)は変わっていませんか?」「私も名刺を新しくしたので」「電話番号が変わっているかもしれないので」などと適当な理由をつけて、再度、名刺交換をするのです。
名刺交換ができないときは仕方がないので、その人との話からヒントを見つける努力をします。「前回はどのお店でご一緒しましたかね?」と聞いて、相手が「六本木のイタリアンで」「日比谷のあの店で」などと答えてくれれば、そこから「あー、あの人だ」と思い出すこともあります。
そこでその店が話題になれば「じゃあ、またその店で会を開くときはご案内をしますから」と言って、やっぱり名刺交換に持ち込みます(笑)。
それから、お会いしたときに、その人のお名前をしっかり覚える工夫をするというのもやっています。よく「視覚と聴覚で覚えると記憶に残りやすい」と言いますよね。ですから、なるべくその人の名前を呼ぶようにするのです。
田中さんなら「田中さんはどう思いますか?」「田中さん、こちらの○○さんをご紹介します」などとあえて名前を何度も呼ぶのです。でも、奮闘努力むなしく、忘れてしまうときは、やっぱり忘れてしまいます。とくに、年齢とともにその回数は確実に増えてきています。困ったものです。
連日開催する食事会・勉強会を通じて「人と人をつなげて」出会いを演出する「スーパーコネクター」。1959年生まれ。広島県出身。東京大学経済学部卒業。1981年住友生命保険相互会社に入社、主に管理部門に従事、執行役常務を経て2021年退社。40代から「人と人をつなぐこと」の楽しさを知り、人脈活動(人活)を開始。自他ともに認める「内向型人間」にもかかわらず「食」を介することで政財界、学界、文化界、芸能界、スポーツ界と「各界につながっていない人はいない」といわれるほどの人脈を築く。