親の過干渉は禁物
最後に「住まいに対する不満」についても見ていきたいと思います。「自宅で不満だったこと」として、「トイレが1つだったのでトイレ争いが起きた」「収納スペース(押し入れ)が狭いこと。押し入れが狭く、荷物の整理が大変だった」「お風呂場。とても寒かったから」などの機能面があげられました。その一方で、トイレや浴室に関しては、自分の子ども部屋があっても、一番好きな場所としてあげている学生がいることは意外でした。その理由として、「風呂。一番くつろげるから」(東京都/女性/現役)「浴室 ゆっくり考え事とかできるから」(神奈川県/男性/現役)などをあげており、トイレや浴室を単なる排泄や洗い場としてではなくリラックスできる空間にすることも大切に感じます。
その他にも「家族が色々注意すること、鬱陶しいから」「親の過干渉、自分のことは1人でなんとかしたいから」など心理的なものも「自宅で不満だったこと」としてありました。このことから、親は干渉しすぎず、かつ、孤立しない子ども部屋の間取りや配置が大切なことがわかります。
いかがでしたでしょうか? アンケート結果からエリートが育つ住まいには「完全個室の立派な子ども部屋」は必ずしも必要ではないことや、「家族が集まりやすいリビングダイニング」が大切なことがわかります。そのほか集中して勉強できるためには、勉強する空間を誘惑の多い子ども部屋から独立させることもポイントです。また思春期の子どもには過干渉になりすぎない住まいの工夫も大切ですね。自宅の購入時や住まいの模様替え時に、ぜひ参考にしてみてください。
300軒以上のリビング・寝室・子ども部屋の模様替えを行い、模様替えのスペシャリストとしてTVや雑誌でも活躍。近著に『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)がある。