「お金が貯まらない家」に住む人の3つの悪習慣

家から少しずついらないモノを出していっても、またどんどん新しいモノを部屋の中に入れてしまってはいつまでたっても片づきません。特に気をつけたいのは、次のような方です。

・セール品・限定商品に弱い

人間は「得をしたい」と思うより、「損をしたくない」と思う気持ちの方が強く出る、と言われています。セール品や限定商品をつい買ってしまう行動もこれを逃すと損するのではないかという“不安”から買い物に駆り立てられているのです。

・新しい製品が出ると買いたくなる

新しいモノを買うのが好きな人の中には、買ってしまうとそこで満足してしまい、数回使うとどこかにしまいっぱなしにしてしまうことも。また新しいモノを物色したり、それを買ったことさえ忘れて同じようなモノを買ってしまう人もいます。

・モノを買うことでストレスを発散している

毎日忙しくて心に余裕がないと現実逃避をするかのように、ネットショッピングや“推し活”に夢中になる人がいます。そこで不要なモノやグッズ購入などをして部屋の中にモノが堆積するという結果に。

西崎彩智『人生が変わる 片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』(朝日新聞出版)
西崎彩智『人生が変わる 片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』(朝日新聞出版)

未就学児のお子さん2人がいるMさんも冒頭で紹介したユキさん同様に、フリマサイトで買い物をすることが日常の楽しみであり、ストレス発散でもありました。子ども服はサイズが合わなくても、もうじき大きくなるから、とポンポン買い込んでいました。買ったモノを押し入れにしまい込んでいた結果、気づいたらほとんどサイズアウトしたモノばかりになっていたそう。これなどは典型的な「買って満足」してしまったケースです。

私は、「モノの量は家事の量」ということを受講生の皆さんによくお伝えしています。ペットボトル1本だって家に持ち込んだら、ペットボトルの中を水ですすぎ、ラベルを剝がし、ゴミ箱にまとめ、ゴミの日に持っていくという家事が生まれます。

そう考えると片づけや家事はモノを家に入れる前から始まっています。家族に家事を任せる前に、「この量だったらできる」と思える適正な家事のボリュームにしておきましょう。そこで最初にできるだけモノを取捨選択して、不要なモノを家から出し、量を最適化するのです。

●プロはこうしている!●
ちなみにわが家では、タオルは一人3枚と決めています。枚数が少ない分、本当に自分が使い心地のいいタオルを厳選し、使ったら洗濯し、乾いたらまた使う、ということを繰り返しています。くたびれてきたら、パッと全部交換。来客用のタオルは何枚か用意していますが、置いておいても気分が上がらないお店や会社のロゴが入ったタオル、手拭いなどは家に置かないようにしています。家族が多いご家庭なら、一人3枚もいらないかもしれません。基本、朝洗えば夕方には乾いているのですから、そのまま使えばいいのです。ストックしてあるモノを新たに使うと洗濯物はどんどん増えてしまいます。食器類も普段使う数は決めていて、使う、洗う、しまう、の家事をできるだけシンプルにするようにしています。

毎月の支出が数万円減少した人も…

これまでは買うことが大好きだった人も、片づけを始めてモノを捨てる大変さを知ると、本当に必要なモノだけに囲まれて暮らしたいと思うようになります。そうすると買い物も減って、結果、毎月の支出が数万円単位で減ったという方も。

そもそも家の中に、子ども部屋でも書斎でもなく、使わないモノでいっぱいになっている物置部屋があるとしたら、その部屋にも家賃やローンを払っていることになります。そちらの方がもったいないと思いませんか? 片づけをすると、家事を効率化し、金銭感覚が磨かれるようにもなります。

・サブスクで買っていたモノを見直すようにしました
・○○専用という調味料は買わないで自分で作るようになりました
・以前はよく買っていた百均の便利グッズにもときめかなくなりました

このような声をよく聞きます。

本当に欲しかった心落ち着く空間が手に入ったら、買う必要のないモノも自然にわかるようになりますよ。

西崎 彩智(にしざき・さち)
お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表

1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片付けを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で3000名を上回る。