2009年のご一家の光景

思い出す光景がある。2009年に上皇ご夫妻と天皇ご夫妻、秋篠宮家、黒田夫妻とで、「こどもの国」をご訪問されたときの光景である。愛子さまはお風邪を召されたとのことでご欠席だった。ご自身のお子さまが病気で休まれているのに、お子さま不在で遊園地に出かけなくてはならないとは、お気の毒だな、普通ならば子どものそばにいたいだろうに、と、皇族のお立場の不自由さをお気の毒に思った。

雅子さまは、悠仁さまの面倒を熱心に見られて、牛のえさやりを手伝われていた。ところが、まさに雅子さまご自身のえさやりが始まった瞬間に、上皇ご夫妻がさっと立ち上がって場を離れられたのである。紀子さまもそれを見て即座にあとを追い、秋篠宮さまも続かれた。

秋篠宮家にも置いて行かれたかたちになり、天皇ご夫妻は顔を困ったように見合わせて「置いて行かれてしまいましたね」といったことを、苦笑いされながらお話になっていた。黒田夫妻は、少し離れた後ろで天皇ご夫妻を待たれていた。

いまはもう映像もなく、詳細はひょっとしたら間違っているかもしれないが、何度も思い返される象徴的な光景である。

秋篠宮家は、上皇ご夫妻に誠心誠意接していらっしゃったのだろう。ただ何となくその「頑張り」は、「もう少し天皇ご夫妻にご配慮されてもいいのではないかなぁ」と思わせるものがあった。

SNS対策に3400万円をかけるのか

2018年の記者会見で、秋篠宮さまが、天皇陛下が即位される際の「大嘗祭だいじょうさい」について、公費で賄うべきではない、天皇家の私費である内廷会計から出すべきだと強く主張されたときには少し驚いた。そして2022年に巻き起こった、55億円ともいわれる秋篠宮邸の改修費に対する批判の根底には、「天皇陛下の代替わりの儀式の会計にまで意見されるのに、ご自身は……」という割り切れない感情が流れているようにも見える。そして、自分たちへのバッシングを何とかするためにSNS対策に3400万円もかけるのか、という驚きにもつながっているのではないか。

現在の秋篠宮家に対するバッシングの火種は、眞子さんの結婚騒動以前からくすぶっていたのではないかと思う。昨今の、SNS関連予算に対する批判は、「SNS予算を投下するといった小手先の対応で、現状を変えることができると思われている」というマイナスの印象を与えてしまっているのではないだろうか。

燃えるスマートフォン
写真=iStock.com/loveshiba
※写真はイメージです