無視の破壊力は使わないように

③ 完全に無視する

相手にいちばんダメージを与える強烈な方法が「無視」です。

コミュニケーションにおいて「無視」は、「非難」「侮辱」と同じレベルの破壊力を持っています。

近年のチームビルディングやリーダー育成の経験から、「無視」は積極的に相手との関係を壊す行為であるということがわかってきています。

相手は「コップ理論」(相手のコップに少しずつ水をそそぐ様子をイメージしながら「ごめんなさい」を重ねていく方法)を知らないので、根気よく「ごめんなさい」を言うよりも「面倒だし、もういいや」と関係修復をあきらめることを選ぶでしょう。

関係が切れてもいい相手であれば、そういう手もありますが、あなたにとって大切な人であれば、あきらめられては困ります。

とはいえ、無視したくなるのは、怒りが強すぎるからだと思います。

ここでも①と同じように、怒りが少し落ちつくまでは「うん」「はい」「わかった」など本当に最低限のひと言でいいので返して、時間を稼ぎましょう。

どんなときも無視だけは避けたいものです。

背中合わせに立つ男女のシルエット
写真=iStock.com/kieferpix
※写真はイメージです

謝り下手な相手を追いつめてはいけない

④ 過去や未来にからめて責める

「あなたって、いつもそうだよね」
「どうせまた、同じことを繰り返すんでしょ」

といった感じで過去のことを蒸しかえしたり、まだ起きていない未来のことを決めつけたりして相手を追いつめると、相手の「でも」「だって」「しょうがなかった」がどんどんエスカレートしていって、収拾がつかなくなります。

最初はなかなか難しいですが、過去も未来も否定せずに、相手のフルストーリーを聞くことは、自分を助けることにもつながるのです。

「今、謝ってくれている」という事実に目を向け、そして、「未来」「これから」のことを大切にしてみてください。