自分を持つ人が高い評価を得る理由

そしてもう一つ、秋元さんには好きな言葉がありました。

「止まっている時計は日に2度合う」

例えば、ずっと前から延々とカスミ草だけを植えている人がいるとする。

自分の姿勢を決して曲げない。カスミ草は今はヒットしていない。

でも、何年かに一度、カスミ草の大ブームがやってきて、この人は高い評価を受けるのです。

一方、ただ流されて、ヒマワリだ、タンポポだと移ろう人もいる。みんなが行こうとするところ、そのときに流行しているものを追いかける人のことです。こういう人は、永遠に時代から5分遅れで走り続けることになります。一度も時間は合わない。

ビンテージの時計
写真=iStock.com/Berezko
※写真はイメージです

秋元さんはこう言っていました。

もし今、就職先を選ぶとすれば、あえて最悪のところを狙うだろう、と。

みんなと逆へ逆へと行く。それが自分のやり方なのだ、と。

危ない場所にこそ野イチゴはある

ボロボロの状況にあるときこそ、チャンスのシグナルなのだということです。

蛇がいたり、滝があったりもする。しかし、みんなが危ないという場所にこそ、野イチゴはたくさんあるのです。

そもそも正解なんて、どこにもないと秋元さんは言っていました。でも、正解だと言う人に、人はついていくのだ、と。

はっきり「こうだ」という思いを持っている人に近づこうとする。そして、そういう人のところに、仕事は集まる。

秋元さんは成功を手にした人にたくさん出会ってきました。では、この人たちは何が違うのかというと、簡単だと言っていました。

「行動を起こしている」ということです。

上阪徹『彼らが成功する前に大切にしていたこと 幸運を引き寄せる働き方』(ダイヤモンド社)
上阪徹『彼らが成功する前に大切にしていたこと 幸運を引き寄せる働き方』(ダイヤモンド社)

まさにこれは、行動こそが偶然を起こすから、なのかもしれません。

問題は、やるかやらないか、なのです。ここが運命の分かれ道。しかし、実行に移す人は案外少ないのだ、と語っていました。

みんなと逆を行く勇気を持てるか。

いつか合う時計を待てるか。

ユニクロしかり、ニトリしかり、ソフトバンクしかり、30年前はほとんど誰も知らない会社だったのです。それを選べた人が、大きな果実を手にしたのは事実なのです。

上阪 徹(うえさか・とおる)
ブックライター

1966年、兵庫県生まれ。89年、早稲田大学商学部卒。アパレルメーカーのワールド、リクルート・グループを経て、94年よりフリーランス。広告、記事、広報物、書籍などを手がける。インタビュー集として、累計40万部を突破した『プロ論。』シリーズ(徳間書店)、『外資系トップの仕事力』シリーズ(ダイヤモンド社)などがある。2011年より宣伝会議「編集・ライター養成講座」講師。2013年、「上阪徹のブックライター塾」開講。日本文藝家協会会員。