「退職一時金」「確定給付企業年金(DB)」の額面を増やす方法

「退職一時金」や「確定給付企業年金(DB)」の場合、各役職や職務での成果加算などのポイント制になっていることでしょう。

役職を上げられるかどうかは、自分の評価を上げるだけでなく、ポストが空いているかどうかの運の要素もあり、現実的には難しいかもしれません。

できることといえば、「各職務での成果加算」などが退職金規定に記載されているのであれば、定年までしっかりと人事評価を積み上げることは退職金を増やす方法につながります。

「企業型DC」の場合、会社からの掛金額がいくらかは、役職・職務によって異なります。掛金額を増やせるかどうかは、現実的には難しいかもしれません。

ただ、企業型DCは、自分自身で運用商品を選んで運用しますので、最終的にもらえる金額は自分次第です。

投資できる商品は、元本確保型商品「定期預金」または「保険」、元本変動商品「投資信託」です。商品ラインアップは、10〜20のところが一般的であり、投資信託が多くなっています。

企業型DCでは、運用益にかかる税金がゼロになりますので、お金を増やしたいなら、投資信託一択です。

お金を増やしていくには「複利効果」の活用が欠かせません。複利効果とは、利息や運用益が次の利息や運用益を生み出していく効果のことです。

この複利効果をより味方につけるには、「運用期間を長くすること」と「運用利回りを高くすること」です。

豚の貯金箱とシニアカップルのシルエット
写真=iStock.com/MonthiraYodtiwong
※写真はイメージです

受取開始を遅らせて額面を増やす方法もある

企業型DCは、規約の定めるところにより、原則60歳〜75歳の間で受け取りを開始します。運用期間を長くするために、受取開始を遅らせることも一つの手となります。

運用利回りを高くすることについてですが、当然リスクとリターンはトレードオフ(比例)の関係です。どの投資信託を選ぶかは、自身のリスク許容度(損に耐えられる度合い)に合わせて選びましょう。

目標運用利回りが3%ならば、国内外の株と債券に投資する「4資産バランス型」、目標運用利回りが3〜5%ならば、国内・先進国・新興国の株と債券、国内外の不動産(リート)に投資する「8資産バランス型」、目標運用利回りが5%超ならば、全世界株や米国株インデックス型などが候補になるでしょう。

仮に50歳時点で企業型DCの資産が500万円、毎月の拠出金が3万円だったとしましょう。60歳までの10年間を、運用利回り3%で運用できると約1091万円、運用利回り5%で運用できると約1280万円、運用利回り7%で運用できると約1502万円になる計算です。