古文をやりたくないなら慶應を受けろ!
さらにいうと、受験勉強をすると知識が増えるよね。たとえば夏目漱石の作品や歴代天皇の名前なんか、ただ暗記しただけでも、そのあと必ず、その知識がフックになって、新しい知識とつながっていくんだよ。それが冒頭で言った教養っていうことだよね。
教養とは、知識をベースに深く考えたり感じたりすること。教養を身に付けることで、より人間性や精神性を高めることができるんだ。
教養のある人間とない人間、みんなどっちと付き合いたいだろう。そんなこと聞かれなくてもわかるよな。
だから将来、成功したいと思ったら、死ぬ気で勉強をするべきなんだ。古文がいらないとか漢文がいらないとか、そういう次元じゃない。いらないと思うなら、お前が文部科学省に入って古文を廃止にさせればいい。
どうしても古文をやりたくないと言ってきた生徒に、「それじゃあ、慶應を受ければいい」と言ったことがある。慶應義塾大学の入試科目は、国語が小論文になるから、古文や漢文は必要ないぞ。
結論を言おう。
もしも子どもに「なんで古文をやらないといけないの?」と聞かれたときに、親が答えるべきフレーズは、この3つだ。
「で、代わりに何を学ぶの?」
「入試に出るんだからやれ!」
「やりたくなけりゃ、慶應を受けろ!」
構成=池田純子
1966年神奈川県鎌倉市生まれ。中学時代から暴走族に加わり、特攻隊長として鳴らす。高校卒業後、中古車販売店に勤めるが、失恋をきっかけに20歳の9月に大学受験を決意。4カ月で、国語の偏差値を25から86に上げる猛勉強で大学合格し、國學院大學に進む。大学卒業後、代々木ゼミナールの講師採用試験に史上最年少、かつ最高得点で合格する。以降、16年間、人気ナンバーワン講師として活躍し、100万人を志望校に合格させる。2007年に代々木ゼミナール退職後、同年4月に個人指導の吉野塾を設立、2008年より東進ハイスクールの古文講師として再び教壇に立ち、13年間トップの座に君臨。現在は、カリスマ古文講師としての体験をメディアや講演で発信している。投資家でもある。