物流施設系で狙い目のREITは分配金利回り5%超

ところで、単一用途特化型のところで狙い目と述べた「物流施設系」のREITは2024年2月21日時点では9件あります。

その中で分配金利回りが高く、1口あたりの価格が安いREITとしてピックアップすると、「ラサールロジポート投資法人」(3466)があります。投資口価格は14万3900円、分配金利回りは5.08%、NAV倍率は0.89倍です。分配金利回りはなんと5%を超えています。

※数値は2024年2月21日時点。

こちらのREITは東京や大阪といった大都市圏内に所在する大型の物流物件を重点的に投資する傾向にあり、格付は長期発行体格付、債券格付ともにAAです。出来高はコンスタントに3000口以上あり流動性は高いREITと言えます。

REIT市場全体に分散投資して「分配金を得たい」ならば、REIT ETFがおすすめです。REITファンドで分配金をもらう場合、信託報酬の高いアクティブファンドが投資候補となります。インデックスファンドは信託報酬が低いものの、分配金の支払いがない商品がほとんどだからです。その点、REIT ETFは株と同じように売買手数料がかかるものの、低い信託報酬で分配金を定期的に得ることが目指せます。

例えば、「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信」(1343)の投資口価格は1831円、分配金利回りは4.22%、信託報酬は0.1705%となっています。直近90日の平均売買高は37万5847口であり、流動性も問題のないREIT ETFです。

※数値は2024年2月20日時点

新NISA×REIT投資で不労所得を手に入れる

新NISAでは、成長投資枠の中で個別REITやREIT ETFに投資することができます。新NISA×REIT投資は、定期的にキャッシュフローが欲しい方はもちろん、定年後の資産取り崩し期を迎えている方におすすめです。

定年後は資産取り崩し期になりますが、自分の寿命が何歳なのかわからない状況で、資産がただ減っていく様子を見ているのは不安になります。この資産取り崩し期の不安を払拭するために、不労所得を得られる資産としてREITに投資する戦略です。

例えば、定年後に1000万円分をREITに入れ替えたとします。このとき、仮に分配金利回りが4%なのであれば、一生涯非課税で、毎年40万円の分配金が受け取れます。

不労所得があれば、心理的な負担も減りますし、いざとなれば売却できるオプションもあります。

高配当株は「値上がり益」も「高い配当金」も期待できる魅力的な資産ではありますが、リスクも相応にある資産です。値動きを抑えたい場合はREITの方がベターです。分散投資を意識してREITをポートフォリオに加えてみるのも面白いかもしれません。

※本記事で紹介した個別銘柄については、あくまでも筆者個人の見解に基づくものです。投資の最終決定は各自の責任でお願いいたします。

頼藤 太希(よりふじ・たいき)
マネーコンサルタント

株式会社Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年にMoney&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』、YouTubeチャンネル『Money&YouTV』、Podcast『マネラジ。』、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)など書籍90冊、著書累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。