PDE5阻害剤を正しく
使用してEDを改善する
──EDの背景にLOH症候群があるかどうかは、ED治療に影響しますか。
並木 EDを主な問題として訪れた患者さんには、まずED治療薬であるPDE5阻害剤を投与するのが原則です。治療方針は、患者さん自身にとって、いま1番切実なことを重視して決めなければなりません。その点を踏まえつつ、年齢や、他の症状に関する問診などからLOH症候群が疑われますと、男性ホルモンの検査を行うこともあります。
またLOH症候群の治療では、男性ホルモンを補充しながら、自覚症状を抑える対症療法の薬も一緒に使うのが一般的です。LOH症候群であることが明らかなEDに対しては、男性ホルモン補充とPDE5阻害剤の投与を並行するわけです。ただし、男性ホルモン補充は前立腺がんや前立腺肥大症に悪影響を与えることもあるので、医師は注意を払います。
──では、ED治療の第1選択となるPDE5阻害剤とは、どのような薬ですか。
並木 服用しやすい錠剤です。ちなみに男性ホルモン補充については、日本では注射を打たなければなりません。
PDE5阻害剤の働きですが、主にPDE5という酵素の作用を阻止することにより勃起を助けます。PDE5は、勃起に必要な物質であるサイクリックGMPを分解してしまうからです。
PDE5阻害剤には3種類あり、勃起を助ける力は、いずれもほぼ同レベルと私はとらえています。しかし作用するまでの時間や、効き目の持続時間、食事の影響の有無といった違いがあります。最も長く持続する種類ですと、約36時間。むろんその間の、あくまで性欲を覚えたときに勃起を助けます。
患者さんの意向も聞いて、相談のうえ処方薬を選びますが、全種類を試してもらうことも可能です。
──PDE5阻害剤に副作用はないでしょうか。
並木 通常、深刻な副作用はありません。しかし一部の心臓の薬を使っている方々に限っては、禁忌です。そうしたこともあるため、PDE5阻害剤は医師の診察と処方のもとで使用してください。ネット販売でも出回っていますが、その多くが偽造品であることも判明※しており、事故も発生していますから、必ず医師の診察を受け、正規の薬を適切に服用しましょう。
※ネット販売のPDE5阻害剤は55.4%が偽造品(製薬会社4社合同調査)
>>詳しくはこちら
──EDを克服したい中高年世代は、広く健康に対し関心が高いと思います。
並木 ある種のPDE5阻害剤には、内皮細胞を元気にする効果もあると考えられています。内皮細胞とは、どんな臓器や血管にも存在し、いわばそれらを裏打ちしていますので、内皮細胞を活性化できれば全身的な健康に役立ちます。
他方、適度な運動を行うと、鍛えられた筋肉や、脳のなかで男性ホルモンの分泌が増えるという学会発表があります。男性ホルモンが全身の機能に重要なことも先にお話ししたとおりですので、いつかPDE5阻害剤と男性ホルモンをうまく組み合わせ、男性のアンチエイジングに貢献できる日が来るかもしれません。
──EDを治したいと思う半面、受診に踏み切れない方々もいます。並木先生からメッセージをお願いします。
並木 勃起を取り戻し、自信を取り戻すという意味でも治療を始めましょう。また、EDが他の生活習慣病を示唆していることもあります。早期治療につなげるためにも、EDを自覚したらぜひ早く医師に相談してください。
●お問い合わせ先●
日本新薬株式会社 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
ED治療相談専用ダイヤル 0120-184604
EDケア サポート www.ed-care-support.jp
携帯サイト www.edcs.jp もしくは、QRコードより