どんな悩みも「事実」と「感情」を切り離して考える
「メタ認知」(物事を超越した場所から客観的に捉えること)という言葉があるように、自分を俯瞰するように客観視すると、落ち着いた対処ができるようになります。
これは、人間関係だけではなく、どんな悩みにも応用できます。
例えば「残業が多くてつらい」という悩みがあったとします。
「残業が多い」というのは事実。「つらい」は感情。
「残業が多い=つらい」というのは自分の解釈です。
なぜなら、「残業が多い」という事実に対して、つらいと思わない人もいるからです。
このように、事実と感情を切り離して冷静に考えたときに、自分の本当の目的が見えてきます。
「残業が多くてつらいと感じていたのは、自由な時間がほしかったからなんだ」
と思えば、転職の決心がつくかもしれませんし、
「残業が多くてつらいと感じていたのは、やらされ仕事ばかりで時間が潰れているのが嫌だったからなんだ。だったらやらされ仕事をなんとかする方法を考えてみよう」
と、転職ではなく「今の仕事をどう変えるか」という発想になるかもしれません。
このように、「つらい」という感情だけではなく、事実と感情を切り離して考えることで、自分の「認知」を見つけることができます。
そして「認知」を見つけたら、本当はどうしたいかという「目的」がより深くわかるようになります。
このように、アドラー心理学の「認知論」と「目的論」を組み合わせることで、人間関係の悩みが解決できることが多いのです。
自分を傷つけられるのは自分だけ
誰かに傷つけられて苦しいとき、または他者と比較して劣等感を抱いて悩むとき。
お伝えしたいのは「自分のことを傷つけられるのは自分だけ」ということです。
悪口を言われたり、SNSで誹謗中傷の対象にされたりしたら、たしかにショックですよね。でも、それを受け止めて傷ついているのは自分の解釈なのです。
これもアドラー心理学の「認知論」です。
同じ悪口を言われても、傷つく人と傷つかない人がいます。
「本当に仕事できないやつだな」と言われたとしても、自分の仕事ぶりに自信があれば気にならないはずです。
親から「早く結婚しなさいよ」と言われたとしても、「結婚できない自分」にコンプレックスを感じていなければ傷つきません。
このように自分に自信があって自分のことが大好きであれば、傷つけられることはありません。
「あなたは間違っているよ」「あなたのことはもう信じられない」というような言葉を突きつけられても、ショックを受けるのか、「しょうがないか」とサラッと受け流せるかは、自分次第。
肯定するのも否定するのも、自分で選ぶことができ、自分を傷つけることができるのも自分だけです。