東京23区のほとんどが直面する人口減少への対策が急務

これまで見てきたとおり、今後東京23区内において、人口が増える区と人口が減る区に分かれていきます。ただ、タイミングに違いが見られるだけで、ほとんどの区は人口減少に直面します。

人口の減少は社会の活力を削ぐだけでなく、社会保障制度の持続可能性にも懸念をもたらします。このような課題に対処するためにも、さらなる少子化対策への取り組みが求められます。

(*1)内閣府HP「選択する未来」の「Q11 人口急減・超高齢化は経済成長にどのように影響しますか」を参照。
(*2)常住する人口とは、国勢調査の定義では、調査時に調査の地域に常住している者をさしています。
(*3)東京都男女年齢(5歳階級)別人口の予測

佐藤 一磨(さとう・かずま)
拓殖大学政経学部教授

1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259–1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247–286 (2020)がある。