印鑑大手が開発した“お辞儀印鑑機能”

とくに新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークが多くなってからは、印鑑そのものの是非が問われはじめており、今では電子決済のシステムに置き換わりはじめています。こうしたお辞儀印鑑ルールは時代とともになくなっていくのだろう……と思っていたのですが、なんと印鑑大手の会社が開発した電子印鑑システムには、印鑑の画像を斜めに表示できる機能がついているという! はたしてそれは遊び心から生まれたのか、企業からのまじめな要請に応えたものかはわかりませんが、手で押す印鑑がなくなっても、案外、このルールは根強く残っていくのかもしれません。

このお辞儀印鑑は、その理由を聞くと「なるほど」と感心しました。とはいえ、実際のお辞儀の角度から印鑑の角度まで決められてしまい、その角度に合っていなければ、何度もやり直さなければいけないのでしょうか。

ビジネスで重要なことは、印鑑やお辞儀の角度がどうこうではないと思う私は、マナー知らずなのでしょうか。

……だとしたら、私にはビジネスマナーを語る資格がありません。

2.「メールのCC、BCCは失礼にあたる」?

CCやBCCの使いかたは難しい面もあります。とくにBCCを日常的に使いこなしている人は少数派でしょう。しかしこの2つの機能そのものが“失礼”というのは、首をかしげてしまいます。そもそもCCやBCCは、メールならではの便利な機能ですから、失礼だ、というならメールのこの機能を否定することにもなりかねません。

ところで、なぜ失礼なのでしょうか。どうやら、一人ひとり別々に出すのが礼儀だから、ということらしいのです……。

ノートパソコンを使用している女性の手元
写真=iStock.com/SunnyVMD
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これも過剰な気遣いであり、現実的とは思えません。生産性向上に努めているビジネスパーソンがこんな手間をかけてはいられないでしょう。ビジネスマナーとは、それぞれが忙しい状況でいかに相手の立場に立って配慮するかというところが肝であります。仕事の手間を大幅に増やすようなマナーは、ビジネスマナーとは言い難いですね。