大切なのは「やってみたい気持ち」を応援すること
「達成動機」を高めるには、内発的な動機付けが重要です。失敗したら罰を与えるのも、成功したら報酬を与えるのも外発的な動機付けです。「テストに合格したら、ほしいものを買ってあげる」というのもたまにはいいですが、達成動機は高まりません。
本人の好奇心を満たしたい気持ちや、成長したい欲求が内発的な動機付けにあたります。「やってみたい気持ち」が何より大事なのです。
本来、子どもは好奇心が旺盛で何でもやってみたいと思うものです。大人になるにつれ失敗を恐れるようになりますが、子どもの頃は失敗よりもチャレンジのほうに意識が向いています。
ですから、親は子どもの「やってみたい気持ち」を応援することです。好奇心を持って何かに取り組む様子を見つけたら、それを肯定します。
「すごいね」
「ナイスチャレンジ」
このように、認めるだけでも応援になります。あるいは途中経過を見て、「おっ、やっているね」だけでもかまいません。結果がどうであれ、チャレンジ自体を応援することで、子どもの達成動機は高まっていきます。
1985年、東京学芸大学大学院教育学研究科発達心理学講座を修了し同年国家公務員心理職として法務省に入省。以後全国の少年鑑別所、刑務所、拘置所で犯罪者を心理分析する資質鑑別に従事。心理分析した犯罪者は1万人超。その他、法務省矯正局、(財)矯正協会附属中央研究所出向、法務省法務大臣官房秘書課国際室勤務等を経て、2007年法務省法務総合研究所研究部室長研究官を最後に退官し、東京未来大学こども心理学部教授に着任。2013年から同学部長を務める。著書に『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』『犯罪心理学者は見た危ない子育て』(ともにSB新書)がある。