鎮痛剤使用で体温-1℃! 低体温は現代人特有の生活に

約60年前と比べて現代人の体温が低下しているといえる理由は、空調設備が整ったことです。エアコンの使用で、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるようになりました。本来人間は、暑さや寒さに合わせて体温調節をしますが、この働きが不要になったのです。つまり、エネルギーをつくって熱を生み、体温を上げるという働き自体が鈍くなってしまったと考えられます。

マグカップを手に、リビングルームでリラックスしている女性
写真=iStock.com/Edwin Tan
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もう一つ、体温調節と深い関係にあるのが、サーカディアンリズム(概日リズム)といわれる人に備わった体内リズムです。サーカディアンリズムは、太陽の光を浴びることでリセットされますが、夜型生活になりがちな現代人は朝のそのチャンスを逃してしまうことも。結果、体温調節のリズムが狂い、低体温を招いてしまいます。

また、現代人女性特有の原因として、ストレスの多い生活も挙げられます。嫌なことがあったり緊張したりしてストレスを感じると、闘争モードになる交感神経が優位に。血管が収縮して血圧も上昇、全身の血流が悪化して体が冷えてしまうのです。

さらに、非ステロイド性消炎鎮痛剤も注意が必要です。生理痛や頭痛などの緩和に使われる鎮痛剤は、痛みを取り除く半面、体温を下げる性質(いわゆる“熱冷まし”)があります。中には、体温を約1℃も下げてしまう鎮痛剤も。慢性的な痛みで鎮痛剤を頻繁に使用していると、低体温につながる可能性があります。