65歳以上で雇用保険に加入できる「マルチジョブホルダー制度」
複数の事業所に勤務する65歳以上の労働者が雇用保険に加入できる制度に「マルチジョブホルダー制度」があります。「65歳以降は複数の職場で働きたい」「65歳以降も雇用保険に加入したい」という人に適した制度です。
以前は、雇用保険に加入するには、主に働いている勤め先で「1週間の所定労働時間が20時間以上」「31日以上の雇用見込み」がある必要がありました。その点マルチジョブホルダー制度では、「65歳以上で、2つ以上の事業所に雇用されていること」「複数の事業所での1週間の所定労働時間が合計20時間以上であること」「雇用見込みが31日以上であること」を満たせ満たしていれば、雇用保険に加入できます。これにより、複数の事業所で働く人でも雇用保険に加入しやすくなります。
また、一定の要件を満たせば、失業後には高年齢求職者給付金の受け取りができるようになります。
なお、マルチジョブホルダー制度の利用手続きは労働者本人がハローワークに「雇用被保険者資格取得届」を提出して行います。
個人事業主と法人でトータルコストはどちらが安いか
個人事業主のなかには、法人を設立しようと考える方もいます。法人化すると、事業の信用が高まります。取引先を法人に限定している企業とも事業ができますし、金融機関の融資を受けやすくなります。
また、法人化すると節税につながる可能性があります。たとえば、個人事業主の所得税の税率は所得に応じて5~45%ですが、法人税の税率は15~23.2%。課税所得が1000万円を超えると、法人のほうが有利になる場合があります。そのほか、給与や退職金・社会保険料・生命保険料・欠損金の扱いなどの点で法人のメリットが大きくなります。
しかし、まずは個人事業主でスタートしてはいかがでしょうか。個人事業主はすぐにスタートできますし、初期費用もかかりません。所得が少ないうちは、法人よりも税金・社会保険料を抑えられます。事業が軌道に乗ってきたら、法人化を検討すればいいでしょう。