あとから収納家具を置く場合は地震対策も必要に

しかし、収納スペースはどのような部屋にも必要ですので、広く感じる10畳の間取りを選んでも、収納家具を後から購入して置くことで、部屋の広さは9.5畳程度になってしまうということを認識することが大切です。

また、図表3のようにあとから収納家具を置く場合と、図表4のようにはじめから収納がある場合では、後者の方が圧倒的に収納量は多くなります。その他にも、あとから収納家具を置く場合は、壁に固定するなどの対策をしないと地震時に凶器になりやすく、安全性にも差が出てきます。

後から収納家具を置く場合と、初めから収納がある場合
作成=COLLINO一級建築士事務所

このような理由から、住まいを選ぶ際は「収納がある間取り」を最優先にしたいものです。すでに収納の少ない間取りに住んでいる場合の解決方法としては、収納付きダイニングテーブルや収納付きベッド、収納付きソファなど、収納機能が付いた家具を選定して、収納を増やすことが大切です。

リビング階段や吹き抜けは光熱費が莫大

「モデルルームで一目ぼれしたリビング階段。しかし、光熱費が……」(茨城県 30代男性 会社員)
【画像1】モデルルームで一目ぼれしたリビング階段。
写真=筆者提供
【画像1】モデルルームで一目ぼれしたリビング階段。

「光熱費が思っていた以上にかかる」と後悔する間取りで多いものが、吹き抜けやリビング階段のある間取りです。リビング階段とは、リビングの中に階段をつくった間取り(上画像)で、開放感があり2階への廊下スペースを省略できるなどのメリットもあります。吹き抜けやリビング階段は、天井が抜けているので開放感はあるのですが、それだけに大きな気積(室内の空気の総量)が生まれるので、余計に光熱費がかかります。

たとえば、こちらの戸建住宅(図表5)では、リビングダイニングの隅にリビング階段が配置されています。1階LDKは21畳、2階吹き抜け部分が2畳、それに隣接して2階フリールームが5.5畳、廊下2畳となっており、これらすべて空間は、壁のないリビング階段でつながっています。

リビング階段のある間取り
図表作成=COLLINO一級建築士事務所