「堅実」「賢明」「慎重」な人がお金持ちに近づく

5つの原則からわかるのは、「堅実」「賢明」「慎重」な人がお金持ちに近づくということです。反対に「軽率」「強欲」な人はお金持ちから遠のいてしまいます。

いずれも特別なことはではなく、誰にでもできるシンプルな心構えです。父親のアルカドは、もともと役所で働く貧しい一市民にすぎませんでしたが、当たり前に思えることを実行し続けてきたからこそ、バビロン一の大富豪となりました。

これは、どんな時代でも通用する「普遍的な知恵」です。だからこそ、同書が世界的に支持され続けているのでしょう。

子どもに財産を残すことを考えたとき、日本のお金持ちもアルカドと同じ心配を抱きます。子どもに財産を受け止めるだけの器があるかどうかを見極めなければ、安心して贈与することも相続させることもできません。

契約書の署名位置をペンで指し示している人の手元
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親が子どもに残す財産に差をつける理由

自分の子どもが浪費することなく、受け継いだ資産を生かして増やしていけると判断できれば、喜んで託すことができるでしょう。しかし、複数の子どもがいる場合、すべての子どもが同じように金銭感覚を身に付けるわけではありません。

基本的にお金持ちは、子どもは平等であると考えていないケースが多いです。子どもであっても好き嫌いはありますし、どれだけ信頼できるかも違います。また、しっかりしている子どもは安心ですが、子どもが無職であったりすると、自分亡き後の子どもの生活のことを心配している親もいます。それぞれの子どもに対する感情には違いがあるのです。

典型的なのはオーナー企業の経営者です。子どもが複数いる場合には、誰に継いでもらうか、判断は難しいところです。後継者に選んだ子どもが経営に失敗すれば、従業員を路頭に迷わせることになりますし、取引先にも迷惑をかけてしまいます。

長男には浪費癖があり、次男はお金に対して堅実な性格であれば、次男に事業を継いでもらう方がベターと考えるのが妥当でしょう。

経営を安定させるためには、会社の資産や株式を次男に集中させる必要があります。オーナー経営者の場合、資産の多くは事業に関するものであるケースが多いので、公平な相続は難しくなります。