長年日本サッカー界を牽引し、43歳になった現在、J2ジュビロ磐田でチームを昇格させるため奮闘を続ける遠藤保仁選手。この度、セブン‐イレブン限定書籍『シンプルに考える』を上梓した。同書で明かされた、意外な「遠藤式ストレスマネジメント」とは──。

※本稿は、遠藤保仁『シンプルに考える』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

遠藤保仁選手
撮影=三好宣弘
2023年、プロ生活26年目を迎えた遠藤保仁選手。

ストレスの対処法は「流す」こと

僕は飄々ひょうひょうとして見えるからか、インタビューなどで「ストレスが溜まることはあるんですか?」と質問されることがよくあります。自分でも聞かれて初めて気づいたのですが、ストレスが溜まった記憶はほとんどありません

もちろん、ストレスを感じることはあります。

サッカーの試合中にパスがうまくいかなかったり、シュートを外してしまったりするとイライラする瞬間はあります。けれど、ストレスが溜まることはありません。ストレスは溜めずに受け流せばいいんです。

うまくいかなかったことは「終わったこと」

ストレスを受け流すことができるようになれるかは、考え方次第だと思います。

遠藤保仁『シンプルに考える』(プレジデント社)
遠藤保仁『シンプルに考える』(プレジデント社)

たとえば、サッカーでは100%同じ状況は起こり得ないので、うまくいかなかったとしても「終わったこと」として考える。うまくいかなかったことを引きずっていても、考えるだけムダですよね。そう思ったら、ストレスは蓄積されずに流れていきます。

人生に置き換えても一緒です。

100%同じ状況は、絶対とは言いませんが、ほぼ起こりませんよね。ならば、「あのときどうすればよかったのか」と自分で抱え込むことはせず、気持ちを切り替えてしまったほうがよほど建設的ではないでしょうか。