スピーディに状況を分析し
より効果的なPDCAを実現
──正確な財務報告や現場の把握という意味でERPやBIツールの導入を検討される企業も多いと思います。
佐々木 グローバルにERPを導入し実績データを収集、財務報告に活用されている企業様は多いですし、その情報をもとにBIツールで分析されるということもあると思います。しかし、このようなシステムの情報だけでは、企業の長期的な成長性や収益性を正確に予測することは難しいのではないでしょうか。例えば、通常の財務会計で「受注」まではあまり重視されません。しかし将来を見据えた売上管理を行うとき受注は重要です。また、財務諸表を見て現状を理解するには、専門的な知識が必要です。誰もが分かる統一したKPI(経営指標)による管理会計で、経営管理を行っていくことが重要になります。
──どのようなKPIであれば、成長性や収益性をより正確に予測することができるのでしょうか。
佐々木 KPIは、企業ごとに異なります。例えば、京セラグループのKPIは、“時間当り付加価値”です。ご存じのように京セラグループでは“アメーバ経営”という京セラ独自の経営管理手法に基づき、経営を行っています。アメーバ経営は、組織を細分化し、部門別の実績と予定で採算を管理します。それぞれの部門ごとに採算が分かるので、KPIである時間当り付加価値が低い部門では、部門リーダーが中心となりメンバー全員が自部門の時間当り付加価値を向上させようと創意工夫を積み重ねます。これにより部門ごとの採算を向上させ、ひいては会社全体の採算が向上する。全従業員が経営に参加し、経営者意識を持つ人材の育成にもつながる仕組みになっています。