バブル崩壊でも物価は上昇。もう預金は安全ではない

米国の景気、海外と日本の金利差、円安、株価など、気になる経済ニュースは途切れることがない。

さわかみホールディングス代表取締役 澤上篤人さん
撮影=国府田利光
さわかみホールディングス代表取締役 澤上篤人さん

1980年代から、世界では、金利を下げて資金を大量供給すれば経済は成長し、国民の所得も増える、という考え方が広がった。供給された資金は金融市場に流れ込み、株価は高騰。しかし実体経済は思うように成長せず、多くの日本人は豊かになったとの実感を持てずにいる。

リーマンショックやコロナ禍でも大規模な金融緩和が続き、金融緩和バブルの様相だが、投資家たちはかなりの楽観ぶりである。

50年以上、投資を続けてきた経験から言えば、カネ余りによる株価の高騰が永遠に続くわけがない。何かのニュースをきっかけに警戒感が芽生え、株価が一気に急落することは十分考えられる。

危機が起きれば国のバラマキによって企業も人も助けられてきたが、それも限界。国や企業を頼らず、自身の力で生きていかねばならない。

生きていくためには働く必要がある。あなたが働く会社は、バブル崩壊後も生き残れるだろうか。

強いのは、人々の生活に必要な会社、バブルとは無縁の会社である。