他人から見えている姿を再現し、魅力と課題の発見を

外見リスクマネジメントを行ううえで効率的なのは、自身の魅力は伸ばし、課題は修正する、というアプローチ。そこで有用なのが写真や動画を用いて自分を客観視する方法です。他人から見えている姿を再現し、外見を構成する5つの要素ごとに魅力と課題を洗い出します。家族や友人に見せて指摘してもらうのもオススメです。

特に課題については、「どう見られたいのか」という理想の姿を想像すると発見しやすいでしょう。その際、たとえ改善策がすぐに思いつかなくても心配する必要はありません。例えば「動き」に意識を向けるようになると、周囲やメディアの中から所作の美しい人に目が止まるようになるでしょう。それを参考に自身の動きに落とし込めばいいのです。恥ずかしいと思わずにぜひ楽しんでやってみてください。動画の中のあなたの姿がぐっと輝きだすはずです。

外見リスクマネジメントが成功すると、ビジネスにとってよいことがあるだけでなく、他者からの反応がよくなることで自己肯定感にもつながります。それは女性リーダーの生きやすさにもつながるのではないでしょうか。

マネジメント方法❶

“写真”を撮って確認する

例えばプレゼンテーションで着用予定の服を着て、3方向から写真を撮影。外見を構成する5要素のうち、静止画では特に「ヘアメイク」「服装」「姿勢」をチェック。「例えば脚の形がキレイ、という魅力が発見できたら、もっとも美しく見える丈のスカートを探すのもいいでしょう。想像よりも猫背であったり、普通にしていると無愛想に見えたりするかもしれません。そのような場合は姿勢を意識したり眉の上下運動で表情をつくったり、といった工夫をします」(石川さん)

写真を撮って確認する

マネジメント方法❷

“動画”を撮って確認する

さまざまな動きを取り入れた短い動画を作り、「表情」「姿勢」「動き」を重点的にチェック。過去のプレゼンの記録動画があれば、それを見直してみるのもよい。「立つときの動作がスマートか、歩き方は美しいか、お辞儀は短くないか、話すスピードはほどよいか、目線は落ち着いているかなどを確認します。魅力的だと感じられる部分が発見できれば自信を持って振る舞えるようになります。課題を感じたポイントについては日頃から改善できるように心がけを。慣れるまでは月2回のペースで動画を撮ることで、意識づけをしましょう」(石川さん)

動画を撮って確認する

構成=浪花真理子 イラスト=織田美涼

石川 慶子(いしかわ・けいこ)
広報コンサルタント

日本リスクマネジャー&コンサルタント協会副理事長。リスクマネジメントの国際規格のフレームワークに沿って独自の知見を体系化し、「外見リスクマネジメント」として提唱。政治家や企業の社長などの記者会見において外見コンサルティングを担当している。