「値引き」や「クーポン」を使う人がハマる罠

たとえ使えるお金が潤沢にあったとしても、やはり値引きやセールの文字を見るとつい手が伸びるものだ。とくに、「よりどり3品で○○○円」と聞くと、どうしても3品買わずにいられない。どうせ使うんだし、というのが言い訳になるが、必要だから買ったのではなく、「安くなるから」わざわざ買っただけなのだが。結局買う予定がなかったものを買い、そのぶんお金は減り、冷蔵庫がいっぱいになっていく。

また、支払いは現金ではなく、カードやスマホ決済アプリでという女性も多いだろう。とくにスマホ決済アプリでは、毎月のように還元率アップのキャンペーンを行っている。情報アンテナが高いキャリア女性は、オトク情報も見逃さない。アプリにはさまざまなクーポンが届くが、それもしっかりチェックしているはずだ。ポイントがアップする、割引になる――そう聞くと、それを使うためにわざわざ買い物に出かけてしまう。こうしたアプリは、利用者の「オトクに買える」気持ちをかきたて、お店に足を運ばせ、ついでに他の買い物もしてもらおうという狙いがある。クーポン好きの人は、その「ついで買い」のわなにまんまとはまって、余計な買い物をしてしまいがちだ。

引き落とし額に愕然…

それだけではない。キャッシュレス決済を使うのは良いが、例えばカード払いでは食費も洋服代も他の支出も合算されて引き落としになる。そのため食費だけでいくら使ったかという振り返りがますますしにくくなるのだ。また、スマホ決済アプリも、クレジットカードや銀行からチャージしたうえで使うことが多いため、残高があればあるだけ使っていい意識になる。おまけにオートチャージ設定でもしていれば、ますます歯止めは効かない。

キャッシュレス決済はオトクで便利だが、細かいお金の仕分けには向いていないのだ。引き落としの日が来て、「こんなに何を買ったんだろう?」と合計額を見て慌ててしまう人は少なくないだろう。