「年金分割」での金額はどのくらいなのか
「離婚時の年金分割」の金額を計算するというのは、単純に夫(妻)の厚生年金額の半分ではありません。婚姻期間中に支払った厚生年金保険料を基に金額を算出するので、計算はかなり複雑になります。
でも「相手に内緒で金額を知りたい」というときは、「年金分割のための情報提供請求書」と所定の書類を年金事務所に出せば、「年金分割のための情報通知書」を受け取ることができます。これなら離婚前に相手に知られずに、分割後の受取額を知ることができます。この「年金分割」で受け取れる年金は、65歳になったときに自分の年金として支給されます。
この年金分割によって分けられる金額というのは、それほど多くはありません。D子さんの夫がもし請求したとしたら受け取れる金額は、年額約6万円です。月額にすると約5000円くらいです。D子さんの場合は、婚姻期間が12年でしたので少ない金額です。
夫の平均月収が35万円で、婚姻期間が30年、妻は専業主婦という場合には月額約3万円です。「3万円ぽっち?」という感じはしますが、年額36万円で、10年で360万円、20年で720万円になります。
この年金分割の厚生年金は“自分の年金”なのです。ですので、相手が先に死んだとしても年金分割で分けた金額はそのままですし、再婚をしたとしても年金額は変わりません。また、65歳以降の受け取りにして繰下げ受給をした場合にも増額になります。
徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)、『とっくに50代 老後のお金どう作ればいいですか?』(青春出版社)、監修書には年度版シリーズ『NEW よい保険・悪い保険』(徳間書店)など多数。