「嫌味な上司にお茶をブチまけてやる」敵撃退法のシミュレーションを

敵の意図や攻撃を想像したら(しつつ)、それらの攻撃にどう対応していくかを考えます。その際、その対応の流れを具体的に映像としてイメージします。

まず、今回の出来事を思い出し、そのときどう対応すればよかったか、あるいは、同じことが起こったとき、どう対処するかを考えます。おそらく、考えようとしなくても、すでに考えているので、それを止めず、最後まで進めればいいのです。

感情の使用言語は、イメージです。できれば、敵を撃退するところまでイメージでシミュレーションを続けてください。「これは邪悪な思考だ、自分は相手を痛めつけるひどい人間だ」などと自制せずに、相手を徹底的にやり込めてください。念のため重ねて言いますが、頭のイメージの中で、です。「感情のケアと現実問題対処は別」です。そこまできちんとシミュレーションしてはじめて、警備隊長が落ち着けるのです。

先ほどの上司に嫌みを言われた事例では、その場で上司を言葉の限りに罵る、お茶をブチまけ会議室を出て行く。退社届を置いて、いきなり荷物をまとめて出て行く。すっかり慌てた上司が泣きながら追いかけてきて、あなたに平身低頭して謝る、などです。映画でも作るつもりで、怒りを思い切り吐きだすシーンをできるだけ具体的にイメージするのです。

シミュレーションの中で、敵も反撃してくるでしょう。それに対してもこちらがきちんと応戦していきます。とにかく、勝てないまでも、少なくとも負けないところまで想像しましょう。

一方で、あまりにもひどく相手を痛めつけるイメージより、「上手にいなす、かわす、win-winに持ってくる」などの結末が好きな人もいます。自分に合う解決イメージで結構です。

いずれにしても、ポイントは中途半端に終わらせないこと。これは「良い対応策が出るまで」という意味ではありません。考えられるだけ考えさせる、ということです。

警備隊長は、それこそ命がけで準備したい。敵を完全に倒すような作戦やイメージはできないかもしれません。しかし、少なくともその作業をさせてあげる、それが大切です。その状態で何もない時間が経過すれば、警備隊長の警戒は少しずつゆるんでいきます。また、シミュレーションをしているときは、怒りが一時的に3段階に進むので、暴発しやすい状態でもあります。実際に行動(相手を挑発する行動、SNSやメールを出すなど)に移さないためにも、必ず相手がいない環境で、できるだけ体をゆるめて、シミュレーションをするように注意しましょう。

もし、行動をしたくなったら、まずは大きく深呼吸し、肩の力を抜きます。

怒りの思考から、体のほうに視点を向けます。そして少し落ち着いたら、「今は現実行動を吟味しているのではなく、感情をケアしている。現実行動は、後できちんと考えよう」と、行動したい衝動を保留します。