子育ての時期は、家計の変動も大きい時期。ある程度のゆとりをキープしながら万全の準備を進めるには、知恵と工夫が必要になる。健全な家計を実現するポイントはどこにあるのか。ファイナンシャル・プランナーでSTコンサルティング代表の吹田朝子さんに伺った。
子育て家族からの質問(1)
子どもが上の学校に進学し、お金がかかります。まず何から始めればいいでしょうか。
吹田 教育費の負担が増してくるなか、収入と支出のバランスをいかに取るのかは、子育て家族の重大テーマに間違いありません。
しかしその前に、私がまずお話ししたいのは、「緊急予備資金」の重要性です。経済全体、また個々の会社を考えても、明日何が起こるか分からない──。先行きの不透明感は、現在ますます高まっています。
また、あってはほしくないことですが災害や事故なども、予測がつくものではありません。そうした、いざというときにすぐ動かせるお金を準備しておくことは、すべての家庭にとって必須といっていいでしょう。なぜなら、こうしたお金が準備されているかどうかで、精神的な安定度がずいぶんと変わってくるからです。
単にお金だけではなく、気持ちの部分でもしっかり基盤をつくってから、具体的なマネープランをスタートしてほしいと思います。「緊急予備資金」は通常の生活費の最低3カ月分、できれば6カ月分を準備しておくといいでしょう。