子育て家族からの質問(2)

無駄のないバランスの取れた家計を実現するにあたって、支出の目安やチェックポイントを知りたいです。

吹田 家計には、例えば住宅費や駐車場代、自動車ローンなど、基本的に毎月の金額が固定している支出と、食費や公共料金、雑費など消費によって変化する支出の2種類があります。月々の家計をチェックするとなると食費や光熱費を注目しがちですが、まず目を向けるべきは「固定的な費用」です。

私はよく、家計の見直しの相談に来られた方に「住宅費やクルマ関係の支出は収入の何%を占めていますか」と確認します。もちろん収入額によりますが、35%以内を一つのラインとすることで、適正な家計管理ができる家庭は少なくありません。

また生命保険料なども毎月の額が決まっている支出です。万一のために保障を厚くしたり、将来のために貯蓄型のタイプを選んだりというのも一つの考え方ですが、10年後、20年後の予測が極めてつきにくいのが今の時代です。そうしたなかでは、掛け捨て型の保険を基本にして、状況に合わせて保障額や特約などを見直していくことも重要となります。

そして貯蓄。これも収入の10%などと固定してしまうのが賢いやり方です。当然、収入額に応じて割合は変わってくるでしょうが、「余った分を貯金する」のではなく、「予め貯金額や割合を決めておく」のが正しい方法です。

ところで、こうした家計管理においては、ある程度の柔軟性を確保しておくことも大切です。あまり細かく管理しようとすると続きません。特に毎月変動する支出については、先月使いすぎたら、今月は節約するなどして、その都度調整すれば構いません。「10円単位、1円単位まで完璧に」ということではなく、全体を見て、きっちり管理するところと、臨機応変に対応する部分のメリハリをつけていくことがポイントとなります。