2つのPMIで景気を予測

一般的なPMIには製造業を対象に調査した「製造業PMI」とサービス業を対象とした「サービス業PMI」があります。この2つのPMIが50を超えていれば、景気がいい状態だと判断していいでしょう。また、2つのPMIを複合した日本複合PMIも公表されています。

2020年1月以降の日本のPMIの推移

実際にPMIがどう変化しているかを見てみましょう。図は、2020年1月以降の日本の製造業PMI、サービス業PMIの推移を表したものです。新型コロナウイルスの感染が拡大した20年3月以降は外出の自粛が求められ、ホテルや飲食店などのサービス業が大きな打撃を受けました。それはPMIにも表れています。サービス業PMIは20年3月以降、急激に落ち込み50を超えたのは21年10月です。それに対して製造業PMIは落ち込みが緩やかで、サービス業よりも新型コロナウイルス感染拡大の影響が小さいことがわかります。

21年10月には2つのPMIが50を超えて景気回復の兆しが見られました。しかし、22年の年明けからオミクロン株によって感染が再拡大すると、サービス業PMIが再び50を下回っています。これが50を超えてくれば景気回復が近いと考えていいでしょう。

景気が回復すれば企業業績も向上して株価上昇や給与アップにつながる可能性も高くなります。投資や転職の際にもPMIを参考にするといいかもしれません。

構成=向山 勇

山下 周(やました・まこと)
auじぶん銀行 チーフエコノミスト

東京大学経済学部卒。三和銀行(現・三菱UFJ銀行)、ドイツ証券チーフ金利ストラテジストを経て、2020年2月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。