独身でも既婚でも女性の老後生活は厳しい
男性はもちろん女性も、ご自分の老後の生活のことを、心配している方が多いと思います。しかし、具体的に、どんな備えをしているのでしょうか。
じつは、女性の老後生活は、真剣に備えておかないと、かなり厳しい状態になるということです。最初から脅すようなことを言って申し訳ないのですが、これは事実です。
なぜ、女性の老後生活が厳しくなるのかを簡単に説明すると、次のようなストーリーになります。
女性は、男性に比べて平均的に給与が低いというデータがあります。給与が平均以上の場合でも、出産・子育てなどで休職期間などがあるケースでは、働いている期間が短いのが一般的です。その場合、結果的に、厚生年金の受給額が少なくなりやすいのです。
夫婦での老後生活は、夫の年金との合算になるので生活費はなんとか確保できます。しかし、夫が死亡すると、遺族厚生年金があるとはいっても、年金の受給額は半分以下になります。一人暮らしの期間が長くなり、認知症のリスクも出るので、介護費用がかかります。
一方、独身の場合でも課題はあります。老後生活は夫の年金がないため、一人分になるのは当然ですが、なおかつ長生きの場合、血縁者が少ないため、要介護になる前から介護付き施設を選ぶ可能性も高まります。そうすると、日々の支出は割高になり、寿命とお財布との戦いになることもあります。
いずれにせよ、女性の老後生活は、経済的に厳しいと言わざるをえません。
年金が少なく、長生きをするので、ダブルで不利?
まず、女性の年金額は、一般的に低いということを説明しておく必要があります。
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和元年)」を見ると、厚生年金の平均月額受給額は、男性:17万1305円、女性:10万8813円です(2020年のデータはコロナ禍で影響があるので、2019年のデータを使用しました)。厚生年金の受給額を見るとなんと7万円近い差になっています。
なぜかというと、女性の方は平均賃金が低く、就労期間も短くなってしまうことが大きな要因でしょう。これだけでも、女性の場合は不利ですが、さらに男性より長生きをする確率が高いので、ダブルで不利になります。