がん検診は、有効性が確認されている検診方法で

最近は痛みの少なさをウリにしたお椀型の「無痛MRI(磁気共鳴画像)」や「乳房専用PET(ポジトロン断層撮影)」、「乳房専用の超音波診断装置」など、新しい診断装置が続々と誕生しています。いずれも単独では検診としての有効性が証明されておらず、高いお金を出す意味があるかどうかは不明です。がん検診については、やはり有効性がきちっと証明された検診方法を基本として、オプションや自費の任意検診に関しては、自らを傷つけることがないように検診のリスクとベネフィットを慎重に判断してください。

図表1は厚生労働省が推奨する「科学的根拠に基づいて、効果がある」と判断された検診の一覧です。女性のがんについては20代から子宮頸がん検診と予防のためのHPVワクチン接種を、そして40代から乳がん検診を受けましょう。

構成=井手ゆきえ

宋 美玄(そん・みひょん)
産婦人科医、医学博士

大阪大学医学部卒業後、同大学産婦人科に入局。周産期医療を中心に産婦人科医療に携わる。2007年、川崎医科大学講師に就任。ロンドンに留学し胎児超音波を学ぶ。12年に第1子、15年に第2子を出産。2017年に丸の内の森レディースクリニック開院、一般社団法人ウィメンズリテラシー協会代表理事就任。『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』『産婦人科医宋美玄先生が娘に伝えたい 性の話』『医者が教える 女体大全』『産婦人科医が伝えたいコロナ時代の妊娠と出産』など著書多数。