コロナはまず、観光や運輸など移動にかかわる業界を直撃。外出自粛により、外食関連も軒並み打撃を受けた。テレワーク推進でオフィス需要が減った不動産も厳しい。

移動、対面、集客が厳しいが、ワクチンで光明も

かたや、コロナで打撃を受けた業界は恩恵を受けた業界よりはるかに多いです。移動制限によって、インバウンドや観光需要が消失しました。テレワークの普及もあり、空運、陸運は厳しい状況です。

JALは、公募増資などの手当てをしても、株価は、再建後の最安値圏まで低迷しています。

レジャー系の業種は人を集められず、軒並み苦しくなりました。飲食業では、休業要請や時短営業で、テイクアウト、宅配以外は壊滅的です。

オフィスの縮小や店舗休業、不動産購入が見送られたことで、不動産も影響を受けました。

アパレル、百貨店など対面の小売業は基本的に不調。レナウンのような大手企業が20年5月に経営破綻しました。

21年もコロナの影響がそのままなら、同様の傾向が続きそうですが、ワクチンで光明も見えるなか、ダウンした業界でも反転攻勢に転じる余地があります。

業績が下がった業界一覧
JALの株価推移

※業界一覧と株価チャートの出所はマネックス証券。一覧は2019年度の経常利益と20年度の予想経常利益を比較して上がった業界と下がった業界の増減率。

構成=奥田由意

益嶋 裕(ますしま・ゆたか)
マネックス証券マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザー

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。2008年にマネックス証券に入社。13年からアナリスト業務に従事。現在は「日本株銘柄フォーカス」㆑ポートや日々の国内市況の執筆、各種ウェブコンテンツ作成に携わりながら、オンラインセミナーにも出演中。