実際に買う人に聞けば答えがわかる!
私はこれまで数えきれないほどのマーケティングを見てきましたが、日本企業は消費者の心理に疎いケースが多いと感じます。グループインタビューなどにしても、自分たちで勝手に仮説を立て、それについて検証していく「仮説検証型」の手法がとても多いのです。特にメーカーは職人発想なので、高い技術を持っていてもオタクになってしまいがちです。このエンジン音がすごいとか、消費者にとってどうかは関係なく話が進んでしまいがち。定量調査についても、社内の上層部を説得するための補強材料としてのデータ収集が目的になってしまっています。
そもそも消費者について見識がない人間が、仮説を立てること自体に無理があります。私が、若者を中心に長年やってきたワークショップは、「仮説ゼロ」の段階から始まります。まずは定性調査で消費者の本音を知ったうえで「それならこうかな」と、そこで初めて仮説を立てる「仮説探索型」、要するに消費者に仮説を立ててもらうんです。実際に想定されるターゲット層が考えるのだから、圧倒的なリアリティーがあります。どんな商品なら買うか、実際に買う人にその答えを聞くのですから、売れないはずがないのです。